遅れ

子どもの発達に関する解説

マターナル・デプリケーションとは?

-マターナル・デプリケーションの概要- マターナル・デプリベーションとは、幼児期に親または親の代わりに愛情と思いやりを提供しなければならない人から引き離されることで、社会性や人格の発達が阻害されることです。この用語は、1945年にイギリスの精神分析医ジョン・ボウルビィによって提唱されました。 心理学者たちが、子どもの発達段階や情動の領域に注目し、親と子どもとの愛着関係の重要性を解き明かすことを研究し始めたのは、1900年代後半のことです。1951年、ボウルビィは母子関係が子どもにどのような影響を与えるかを研究する目的で、世界保健機関(WHO)から委託を受け、調査を開始しました。この調査で、母親と引き離された子どもに、母子関係を欠くことによって生じるさまざまな問題や弊害があることがわかり、その原因が母親と引き離されることによるものであることと、その問題や弊害を「マターナル・デプリベーション」と呼ぶとしました。 マターナル・デプリベーションは、子どもにさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、社会性の発達を遅らせ、情緒不安定になり、攻撃的になったり、引きこもりになったりすることがあります。また、知的発達にも遅れが生じたり、学童期以降に精神疾患を発症したりするリスクが高まったりすることもあります。