産道

出産に関する解説

赤ちゃんの頭血種について

頭血種とは、出産時に産道を圧迫されて通ってきた際にできる、赤ちゃんの頭のぶよぶよしたこぶのようなものです。 頭の骨と骨膜の間に出血したもので、ふつうは1~2か月以内にしだいに固くなり、その後自然に吸収されていきます。 頭血種は、自然分娩で出産した赤ちゃんの約10%~20%に見られます。 頭を強く圧迫する帝王切開よりも、自然分娩の方が頭血種ができる可能性が高くなります。頭血種の大きさや場所は、産道を通過する際の赤ちゃんの頭の向きや、分娩時の力のかかり方によって異なります。 頭血種は、ふつうは1~2か月以内に自然に吸収されていきますが、まれに大きな頭血種の場合は、数か月~数年かかることもあります。また、頭血種が感染を起こしたり、頭蓋骨に異常が認められる場合には、治療が必要になることもあります。
新生児ケアに関する解説

赤ちゃんの大泉門を理解する

大泉門とは、赤ちゃんの頭蓋骨の頂点にある、骨と骨の継ぎ目部分です。 ひし形の形状をしており、ママが触ると「ぺこぺこしている」と感じる部分です。生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨は、左右、前面などいくつかのパーツに分かれており、それぞれの継ぎ目部分にすき間があります。分娩時には、このすきま部分を利用して骨と骨が重なり合い、頭のサイズを小さくして狭い産道を通ります。ちなみに後頭部にあるすきま部分は「小泉門(しょうせんもん)」といいます。小泉門は、三角形の形をしています。
出産に関する解説

回旋とは? – 赤ちゃんを安全に出産するための知識

回旋とは、産道の形に合わせ、赤ちゃんが少しずつ向きを変え回転しながら降りてくることをいいます。回旋がうまくいかないと、陣痛が起きていてもなかなか赤ちゃんが降りてくることができません。これを「回旋異常」といいます。 回旋は、通常、陣痛が始まってから起こります。最初は、赤ちゃんの頭が左右どちらかの骨盤の側に向いています。そして、陣痛が進むにつれて、赤ちゃんの頭は徐々に中央に向かって回旋していきます。頭が中央に位置したら、赤ちゃんの頭が産道に沿って降りてきます。 回旋異常には、さまざまな種類があります。最も一般的な回旋異常は、後頭骨前位です。これは、赤ちゃんの頭が後頭骨を前にして産道に入ってくる状態です。後頭骨前位は、通常、自然分娩で問題なく赤ちゃんを産むことができます。しかし、他の種類の回旋異常では、自然分娩が難しくなることがあります。
出産に関する解説

産道とは?骨産道と軟産道について

骨産道とは、分娩時に赤ちゃんが通過する骨盤の内側のことを言います。骨産道は、恥骨、坐骨、仙骨、尾骨で構成されるリング状の構造をしており、赤ちゃんが骨産道を通過するためには、骨盤の大きさと形が適切である必要があります。骨産道が赤ちゃんの頭に対して狭い場合は、児頭骨盤不均衡と呼ばれます。児頭骨盤不均衡は、分娩異常の原因の一つであり、帝王切開などの手術が必要となる場合があります。