産褥期

産後ケアに関する解説

血栓症とは何か?妊産婦のリスクと予防

血栓とは「血液のかたまり」のことです。これが動脈や静脈などの血管を塞いでしまうのが血栓症です。 日本人には多くないとされていましたが、食生活の欧米化などに伴って増加傾向にあり、注意が必要です。妊産婦で問題になるのは、深部静脈血栓症と、それによって起こる肺血栓塞栓症です。深い部分にできた静脈の血栓が、肺の動脈を塞いでしまう病気で、妊産婦の場合、妊娠中より産褥期に多く発生します。リスク因子として、高齢妊娠、妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群や前置胎盤・切迫早産などで長期間ベッドで横になっていた場合、帝王切開の場合、程度のひどい脚の静脈瘤などが挙げられます。
産後ケアに関する解説

産褥期を理解しよう

産褥期(分娩がすんで、女性の体が妊娠前の状態に戻っていくための時期(期間)をいいます。一般に、分娩後6週あるいは8週までです。)は、分娩後の女性が体の回復と新しい生活への適応を行う重要な時期です。産褥期には、ホルモンの変化、体の痛み、睡眠不足、情緒不安定など、さまざまな症状が現れることがあります。産褥期に起こる主な症状は以下の通りです。 * ホルモンの変化出産後、エストロゲンとプロゲステロンのレベルが急激に低下します。これにより、気分のむら、疲労、不眠、ほてり、発汗などの症状が現れます。 * 体の痛み出産後、会陰切開や帝王切開の傷口の痛み、子宮の収縮による痛み、乳房の張りや痛みなどの症状が現れます。 * 睡眠不足新生児の世話で睡眠時間が不足し、疲労やイライラなどの症状が現れます。 * 情緒不安定出産後のホルモンの変化や、育児のストレスなどにより、情緒不安定になり、気分のむら、イライラ、不安、抑うつなどの症状が現れます。 産褥期には、これらの症状を和らげ、体の回復を促進するためのケアが必要です。産褥期のケアには、以下のようなことが含まれます。 * 休息産褥期には、十分な休息をとることが大切です。新生児の世話は大変ですが、無理をせず、できる限り体を休めるようにしましょう。 * 栄養産褥期には、栄養バランスのとれた食事をとることが大切です。タンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に摂取するようにしましょう。 * 運動産褥期は、体を動かすことが大切です。軽い散歩やストレッチなどから始め、徐々に運動量を増やしていきましょう。 * メンタルケア産褥期には、情緒不安定になりやすいので、メンタルケアも大切です。家族や友人などのサポートを受け、無理をせず、自分のペースで育児をしていきましょう。
出産に関する解説

フリースタイル分娩:お産の新しいスタイル

フリースタイル分娩とは、出産時に女性が自由に姿勢を選んで出産する方法です。一般的な分娩台を用いるお産はあおむけの姿勢になりますが、フリースタイル分娩では、女性が起きた姿勢、座った姿勢(座位)、四つん這い、ときには立ち上がった姿勢(立位)など、自由な姿勢で出産することができます。 フリースタイル分娩は、1970年代にフランスで始まり、近年では世界中で普及しています。日本でも、フリースタイル分娩を導入している産院が増えてきています。 フリースタイル分娩のメリットは、以下の通りです。 * 産婦がリラックスして出産できる * 出産時の痛みを軽減できる * 産道への圧迫を軽減して、会陰切開のリスクを減らすことができる * 骨盤の動きを良くして、出産をスムーズにすることができる フリースタイル分娩のデメリットは、以下の通りです。 * 帝王切開のリスクが高まる * 産後の出血量が多くなる * 分娩時間が長くなることがある フリースタイル分娩は、産婦がリラックスして出産できるメリットがありますが、帝王切開のリスクが高まるなどのデメリットもあります。フリースタイル分娩を希望する場合は、産院の医師とよく相談して、メリットとデメリットを理解した上で決めることが大切です。
産後ケアに関する解説

子宮復古:妊娠後の体の変化と回復

子宮復古とは、妊娠中に大きくなった子宮が、分娩後、徐々に妊娠前の状態に戻ることをいいます。 子宮復古は、分娩後6週から8週の産褥期に行われます。 子宮復古は、後陣痛や授乳によって促進されます。後陣痛は、子宮が収縮して元に戻る痛みで、産後1週間から2週間ほど続きます。授乳は、子宮を収縮させるホルモンであるオキシトシンの分泌を促します。 子宮復古は、通常は問題なく起こりますが、まれにうまくいかない場合があります。子宮復古がうまくいかない場合は、悪露が長く続いたり、腹痛を伴ったりすることがあります。このような場合は、産婦人科を受診することが大切です。