産後うつ病

産後ケアに関する解説

「ボンディング」とは?―親子が抱く愛着―

ボンディングとは、お母さんやお父さんが子どもに対して抱く「愛しい」「守ってあげたい」「大事にしたい」などの愛情・情緒的なきずなを指す心理学の用語です。赤ちゃんとお母さん(またはお父さんなど)の間に形成される「愛着/アタッチメント」の基盤にもなる想いです。赤ちゃんとの関係がうまく築けなくなったり、お母さんが心理的に追いつめられたりする原因になる場合もあるので注意が必要です。産後うつ病が背景にある場合は特に注意が必要ですが、育児がしんどい、苦しいと感じた場合は、一人で抱え込まず周囲に助けを求めましょう。地域の子育て支援包括センターも、相談しやすいです。
産後ケアに関する解説

産後うつ病とは?そのサインと対処法

産後に発症するうつ病を産後うつ病と言います。産後うつ病は、産後のお母さんの10~15%に生じるとされています。産後うつ病のサインとしては、1日中気分が沈む、日常生活の中で興味や喜びが感じられない、赤ちゃんに何の感情もわいてこない、食欲もなく体重が減る、不眠/睡眠過多などが挙げられます。 産後うつ病と似た症状として、マタニティ・ブルー(ズ)があります。マタニティ・ブルー(ズ)も、産後うつ病と同様に気分が沈んだり、興味や喜びを感じられなくなったりする症状が出ます。しかし、マタニティ・ブルー(ズ)は一時的なもので、自然に治ります。一方、産後うつ病は、こうしたしずんだ気分が2週間以上続き、治療を必要とする病気です。 産後うつ病かなと思ったら、早めに精神科医や心療内科医、地域の保健所・保健センターなどに相談しましょう。
産後ケアに関する解説

マタニティ・ブルーを乗り越える

マタニティ・ブルーとは、出産直後から数日後までの一時的な気分の変調のことです。約25~30%の人が経験するといわれています。イライラする、ちょっとしたことで涙が出る、気分が変わりやすいなどの症状がみられます。不安や緊張、集中力の低下、疲労感や食欲不振、頭痛、夢をよく見るなどを訴える人もいます。ただし、これは一時のことであり、通常は2週間くらいで自然に落ち着いてきます。特別に治療が必要なわけではありません。しかし、中には「産後うつ病」を発症する人もいるので、2週間以上たっても心身の変調がおさまらない、症状が強いなどの場合は、医師(お産を扱ってくれた主治医や精神科医、心療内科医など)や助産師・保健師に相談してください。