母乳

乳児ケアに関する解説

混合栄養の知識とメリットを学ぼう

混合栄養とは、母乳と人工栄養を組み合わせて乳児に栄養を与える方法です。混合栄養を採用する親は多く、その理由もさまざまです。混合栄養のメリットとデメリットを理解することで、混合栄養が自分と赤ちゃんに合っているかどうかを判断することができます。 混合栄養のメリット ・母乳育児と人工栄養育児の両方のメリットを享受できる ・母乳の出が悪い場合や、赤ちゃんの体重が増加しない場合でも、人工栄養を補うことで十分な栄養を摂取できる ・母親が外出したり、長時間離れる必要がある場合でも、人工栄養を飲ませることができる ・人工栄養を飲ませることで、母親の休息時間を確保できる 混合栄養のデメリット ・母乳育児と人工栄養育児の両方を行うため、時間がかかる ・人工栄養を飲ませることで、赤ちゃんの消化器系に負担がかかる場合がある ・母乳育児をやめると、母乳の出が減り、赤ちゃんが母乳を拒否する可能性がある ・人工栄養を飲ませることで、赤ちゃんがアレルギーを起こす可能性がある
乳児ケアに関する解説

人工栄養とは?その歴史と現在

人工栄養は、母乳に代わる栄養で赤ちゃんを育てることです。その昔は、ヤギのお乳、牛のお乳、コンデンスミルクなども用いられていました。コンデンスミルクも牛乳を濃縮させたものなので牛乳と同様に、ビタミン類が不足しがちで、栄養価の面では新鮮な牛乳には及びません。 母乳代用品は、新生児の頃から与えることができるため、まとめて作っておくことができ、時間が経っても殺菌されているため、衛生面でも優れています。また、粉ミルクは、保存期間が長く、持ち運びにも便利です。液体ミルクは、すでに調乳されているため、より手軽に与えることができます。
新生児ケアに関する解説

ビタミンK2シロップってなに?

ビタミンK2シロップとは? ビタミンK2シロップは、ビタミンK欠乏性出血症の予防目的に使用される医薬品であり、ビタミンKの1種である「メナキノン-7」を主成分としています。ビタミンKは、血液を固める働きに関係する成分であり、生後すぐの赤ちゃんはビタミンKが不足しがちであるため、ビタミンK2シロップが投与されます。ビタミンK2シロップは、出生時、生後1週間(産科退院時)、1か月健診時の計3回投与され、完全母乳の赤ちゃんの場合には、生後3か月までは週1回の投与が推奨されています。医師の指示通りにビタミンK2シロップを投与することは、ビタミンK欠乏性出血症の予防に欠かせません。
産後ケアに関する解説

乳腺炎に関する基礎知識と症状

乳腺炎とは 乳腺炎とは、乳腺に炎症が起こる病気です。乳腺炎には、お乳が内部にたまって起こる「うっ滞性乳腺炎」と、細菌が入り込んで炎症を起こしている場合(化膿性乳腺炎)があります。 乳腺炎の原因 うっ滞性乳腺炎は、おっぱいが詰まってしまうことで起こります。詰まる原因は、母乳の出が悪い、授乳姿勢が悪い、授乳回数が少ない、ブラジャーがきつい、などです。化膿性乳腺炎は、乳頭に傷ができたり、乳管に細菌が入り込んだりすることで起こります。 乳腺炎の症状 乳腺炎の症状は、「乳房がパンパンに張って痛い」「乳房が熱を持っている」「微熱」「だるい」などです。ときには高熱が出る人もいます。 乳腺炎の治療 乳腺炎の治療は、うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎で異なります。うっ滞性乳腺炎の治療は、おっぱいをマッサージして詰まりを解消したり、母乳の出をよくしたりする方法が中心です。化膿性乳腺炎の治療は、抗菌薬を服用したり、場合によっては手術をしたりする方法が中心です。 乳腺炎の予防 乳腺炎を予防するためには、母乳の出をよくし、授乳姿勢を正しく、授乳回数を増やすことが大切です。また、ブラジャーをきつく締めすぎないようにすることも大切です。
産後ケアに関する解説

初乳の重要性と栄養素

初乳とは、出産後、数日間だけ分泌される母乳のことです。 産後1~2週間ごろの母乳は「移行乳」、それからは「成熟乳」と呼ばれます。初乳は黄色くて粘りのある母乳で、たんぱく質やタウリンなど、この時期の赤ちゃんに重要な栄養成分や、免疫物質が非常に多く含まれています。 初乳には、アミノ酸であるタウリンが豊富に含まれています。タウリンは、脳の発育や視力の発達に重要な栄養素です。 また、免疫グロブリンなどの免疫物質も含まれており、赤ちゃんを感染症から守る働きがあります。 さらに、初乳には整腸作用や下痢止め効果があるオリゴ糖も含まれています。 初乳は、赤ちゃんにとってとても大切な栄養源です。 初乳は、赤ちゃんが産まれてすぐに飲ませることで、赤ちゃんの免疫力を高め、感染症から守るのに役立ちます。また、初乳には、赤ちゃんに必要な栄養素が豊富に含まれているため、赤ちゃんの脳や体の発育を促すのに役立ちます。
乳児ケアに関する解説

果汁は本当に必要?

以前は、離乳食の開始前、「母乳以外の味やスプーンに慣れるため」に果汁を与えることが勧められていました。果汁は甘くて飲みやすいので、赤ちゃんはよく飲みます。また、スプーンを使うことで、離乳食を食べる練習にもなります。しかし、近年、離乳開始前に果汁を与えると「むしろおっぱいを飲む量が減ったり、過剰に与えると栄養不足につながる」、つまり「栄養学的な意味は認められない」となったのです。 このため、2008(平成20)年4月以降の母子健康手帳から、以前記載されていた「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という一文が削除されました。また、離乳前は、スプーンなども無理に使用しなくて大丈夫です。生後5~7か月ごろになると、赤ちゃんは自然にスプーンも受け入れていくようになるので、使用は離乳の開始以降でよいのです。 かつての果汁ブーム 果汁ブームが起こったきっかけは、1990年代後半に発売された「果汁100%ジュース」です。このジュースは、甘くて飲みやすく、赤ちゃんにも好まれました。また、果汁にはビタミンCやカリウムなどの栄養素が含まれているため、健康にも良いとされ、多くの親が赤ちゃんに果汁を飲ませるようになりました。しかし、果汁ブームはすぐに終焉を迎えました。果汁には糖分が多く、飲み過ぎると虫歯や肥満の原因になることがわかったからです。また、果汁には食物繊維が含まれていないため、便秘になりやすくなることもわかりました。これらの理由から、果汁を赤ちゃんに飲ませることは勧められなくなりました。
乳児ケアに関する解説

離乳食の進め方とポイント

育児に関する用語『離乳』とは、母乳または育児用ミルクなどの乳汁(にゅうじゅう)栄養から、幼児期の食事へ移行する過程をいいます。 その子の食欲や成長・発育、さらに地域やそれぞれの家庭の食習慣も考えながら無理なくすすめていくのがポイントです。母子健康手帳に「進め方の目安」が記載されていますので、参考にして進めてください。 離乳食の始め方としては、生後5〜6カ月頃から始めるとよいとされています。 この頃は、赤ちゃんが首が据わり、お座りができるようになり、口や舌の運動が発達してきます。また、消化器系も発達してきて、母乳や育児用ミルク以外の食物を消化・吸収できるようになってきます。 離乳食を始めるにあたっては、まずは1回食から始めましょう。1回食とは、1日に1回、離乳食をあげることをいいます。最初は、お粥や野菜スープなどのシンプルなものから始め、徐々に種類や量を増やしていきます。
産後ケアに関する解説

搾乳とは?

搾乳のメリット 搾乳は、乳児が母乳を飲まない場合や、母乳の量を増やしたい場合に役立ちます。 搾乳は、乳腺管を刺激することで、母乳の生成を増やす効果があります。また、搾乳により乳房が空になるので、母乳が詰まるのを防ぐこともできます。その為、搾乳は母乳育児を成功させるために非常に重要なプロセスです。 搾乳は、母子の絆を深める効果もあります。搾乳中は、母親と乳児がスキンシップをとることで、お互いの愛情を確認し合うことができます。また、搾乳は、母乳育児をより快適にする効果もあります。搾乳により乳房が空になることで、乳房の張りを軽減することができます。
乳児ケアに関する解説

哺乳反射とは? その働きとトラブル

哺乳反射とは、乳幼児が母乳やミルクを飲む際に必要な反射であり、口に触れると自動的に吸い付く反応のことです。この反射は、生後間もない赤ちゃんが、母親の乳房や哺乳瓶の乳首をくわえると、自動的に吸い始める様子からもわかります。哺乳反射は、赤ちゃんが栄養を摂取するための重要な反射であり、生後数カ月で自然に消失します。 哺乳反射は、赤ちゃんが生まれてから数日~数週間で発達し始め、生後6ヶ月頃までにピークに達します。その後、離乳食が始まるとともに徐々に消失していきます。哺乳反射は、赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために必要な反射ですが、それ以外にも、赤ちゃんが安心感や満足感を得るために必要な反射でもあります。
乳児ケアに関する解説

母乳の大切さ

母乳は、乳児に最適な栄養が含まれ、消化吸収も良く、多くの免疫物質が含まれるため、乳児の健康に必要な栄養素をすべて含んでいます。 母乳には乳糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルが含まれており、乳児の成長と発達に欠かせない栄養素をすべて含んでいます。また、母乳には免疫グロブリンや白血球などの免疫物質が含まれており、乳児の免疫力を高める効果があります。 母乳の栄養成分は、乳児の月齢や栄養状態によって変化します。新生児期には、母乳のタンパク質含量が高く、脂肪含量が低いのが特徴です。これは、新生児期に乳児のタンパク質需要が高く、脂肪需要が低いことに対応しています。生後数ヶ月になると、母乳の脂肪含量が上昇し、タンパク質含量が低下します。これは、生後数ヶ月になると、乳児の脂肪需要が高く、タンパク質需要が低下することに対応しています。 母乳の栄養成分は、母体の食事によっても影響を受けます。 母体が健康的な食事を摂っていれば、母乳の栄養成分も良くなります。逆に、母体が不健康な食事を摂っていれば、母乳の栄養成分も悪くなります。そのため、母乳育児をしている母親は、健康的な食事を心がけることが大切です。
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粉ミルク – 育児に欠かせない母乳の代替品

粉ミルクは、何らかの理由により母親が赤ちゃんに母乳を与えられない場合、母乳の代替品として開発されてきました。 粉ミルクは、「育児用粉ミルク」「乳児用調整粉乳」などとも呼ばれています。一般的に、粉ミルクは牛乳を原料として製造されています。 しかし、生まれつき代謝に問題がある赤ちゃんなどには、医師の指示で使用する特殊なミルクもあります。 たとえば、ガラクトース血症という病気の赤ちゃんには、ガラクトースを含まない特殊なミルクを飲ませる必要があります。また、ラクターゼ欠乏症という病気の赤ちゃんには、ラクターゼを含まない特殊なミルクを飲ませる必要があります。2019(平成31)年3月からは、液体ミルクが国内でも製造販売が開始されました。液体ミルクは、粉ミルクを水で溶いて作る必要がなく、そのまま飲ませることができます。