育児と梅毒
梅毒(ばいどく)は梅毒トレポネーマという菌が原因になる性感染症の一つです。「昔の病気」と思われる方も多いかもしれませんが、現在でも多くの報告がありますし、妊婦さんが梅毒に感染していたため赤ちゃんが先天梅毒となるケースも決してゼロではありません。このため、妊婦健診で検査をします。検査のひとつは、血液の中に梅毒に対抗して自分で産生した抗体(自己抗体)があるか、つまり感染しているかをチェックする方法(STS法)です。しかしこの自己抗体は他の病気や、妊娠そのものでも産生され、「陽性」と出てしまうことがあります。この場合は、確定診断として、やはり血液中の抗体??今度は梅毒の菌そのものに反応する抗体があるかどうかを調べます(TP抗原法)。最終的に、感染の有無はこの2つの検査の結果を組み合わせて判断していきます。治療は、妊娠各時期に応じたペニシリンの使用です。きちんと治せる病気ですから、よく医師の説明を受けましょう。