感染症

子どもの発達に関する解説

ワクチンの基礎知識

ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌の増殖力を弱くしたり(弱毒ワクチン)、まったく増殖できないように(不活化ワクチン)したものです。ワクチンを体内に注入する(予防接種)ことで、体内に抗体(免疫)をつくり、その感染症にかかりにくくします。 ワクチンは、感染症を予防する最も効果的な方法のひとつです。ワクチン接種によって、毎年何百万もの命が救われています。ワクチンは、多くの人々が感染症にかかることを防ぐことで、集団免疫を形成し、感染症の蔓延を防ぐ効果もあります。 ワクチンが開発されたのは、18世紀後半のことです。イギリスの医師エドワード・ジェンナーが、牛痘にかかった人々は天然痘にかかりにくいことに気づき、牛痘の膿を健康な人の皮膚に接種することで、天然痘を予防できることを発見しました。この発見は、ワクチンの開発につながりました。 現在、ワクチンは、さまざまな感染症を予防するために使用されています。ポリオ、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘など、多くの感染症は、ワクチン接種によって予防することができます。ワクチンは、生後間もない乳児から高齢者まで、すべての人にとって重要なものです。
乳児ケアに関する解説

手足口病について知っておきたいこと

手足口病は、ウイルス感染によって起こる急性発疹症です。1960年代の後半から発生し、70年代になって急速に増えてきた、新顔のウイルス性発疹症です。手足や口の中に小さな水泡ができ、大半は2、3日で苦痛なく治まってしまいます。潜伏期は3日から6日間です。 手足口病の原因は、コクサッキーウイルスA群16型です。ウィルスは、感染者のくしゃみや咳などによる飛沫感染や、汚染された物への接触によって感染します。症状は、手足やかかとにできる水泡、口の中の痛みや発疹、発熱、食欲不振などです。 手足口病は、通常は軽症で、数日で治癒します。しかし、まれに、髄膜炎や脳炎などの重症化する場合があります。手足口病の治療法はありませんが、対症療法で症状を緩和することができます。
子どもの発達に関する解説

検温の重要性と正しい方法

検温とは、発熱や感染症の有無を確認するため、体温を計測することです。体温は、体内の熱のことで、通常は脇の下で36.5~37.5℃程度です。発熱とは、体温が37.5℃以上になることを指し、感染症や炎症などの病気のサインである可能性があります。検温は、病気の早期発見や治療に役立つため、定期的に行うことが大切です。 検温には、水銀体温計、電子体温計、耳式体温計など、さまざまな方法があります。水銀体温計は、最も正確な体温計ですが、水銀が割れると危険なため、近年では使用されなくなっています。電子体温計は、水銀体温計よりも安全で使いやすいですが、水銀体温計ほど正確ではありません。耳式体温計は、耳の鼓膜の温度を計測する体温計で、水銀体温計や電子体温計よりも早く結果がわかりますが、正確性に欠けることがあります。 検温を行うときは、正しい方法で行うことが大切です。水銀体温計の場合は、脇の下に5分程度挟んで計測します。電子体温計の場合は、脇の下に30秒程度押し当てて計測します。耳式体温計の場合は、耳の穴に挿入して計測します。検温を行うときは、必ず清潔な体温計を使用し、計測する部位を清潔にしてから行うようにしましょう。
妊娠中に関する解説

トキソプラズマ症とは?

トキソプラズマ症は、トキソプラズマという小さな原虫が原因で起こる感染症です。この原虫に感染した肉を生または十分に加熱せずに食べる、感染した猫のフンやフンに汚染された土に触れる(猫以外のペットからは感染しません)、などから人に感染します。
トキソプラズマ症の主な症状は、発熱、頭痛、筋肉痛などです。 ただし、感染しても症状が出ない人も多く、感染しても大部分は軽症で終わります。
その他

接触感染とは?感染経路と予防方法

接触感染とは、感染源と直接または間接的に触れ合うことで起こる感染症です。感染源は、感染症の病原体を保有している人や動物、または、病原体が付着した物です。接触感染は、病原体が皮膚や粘膜から体内に侵入することで起こります。感染源との接触の仕方によって、接触感染は2つのタイプに分類されます。直接接触感染は、感染源と直接触れることで起こる感染症です。これは、感染症の病原体を保有している人とキスをしたり、握手したりすることや、感染症の病原体が付着した物に触れることで起こります。間接接触感染は、感染源と直接触れることなく、感染症の病原体が付着した物に触れることで起こる感染症です。これは、感染症の病原体が付着したドアノブや蛇口に触れたり、感染症の病原体が付着した衣類やタオルを使用したりすることによって起こります。
乳児ケアに関する解説

保育所における看護師の役割

看護師 乳幼児は感染症にかかりやすく、病気の予防や看護の必要性が高いです。そのため、低年齢児を受け入れる保育所では、看護師の配置が望まれています。看護師は、乳幼児の健康状態を観察し、病気の早期発見・早期治療につなげることができます。また、感染症の予防策を講じたり、保護者への育児相談に応じたりするなど、乳幼児の健やかな成長をサポートする役割を担っています。
幼児ケアに関する解説

水いぼに関する知識とその対処法

水いぼとは、ウイルスによって引き起こされる皮膚の感染症で、小さな水疱ができる症状を特徴とします。ウイルスは、水いぼウイルスと呼ばれ、非常に感染力が強く、接触によって広がります。水いぼは、子供に多くみられ、年齢にかかわらず、誰でも感染する可能性があります。水いぼは通常、無害ですが、かゆみや痛みを伴うことがあります。また、水いぼを掻き壊すと、さらに感染が広がることがあります。水いぼは、通常、自然に治癒しますが、治癒するまでには数か月以上かかることがあります。水いぼの治療には、抗ウイルス薬や局所治療薬などが使用されます。
乳児ケアに関する解説

麻疹とは?症状や予防方法を解説

麻疹とは、麻疹ウイルスによる感染症で、発熱、咳、鼻水などの症状が出ます。また、特徴的な発疹が現れることも多く、顔面から始まり、体全体に広がっていきます。麻疹は、空気感染や接触感染によって広がることが多く、感染力が非常に強いです。そのため、麻疹にかかった人がいる場合には、周囲の人々も感染する可能性が高くなります。 麻疹は、発熱、咳、鼻水などの症状が出ます。また、特徴的な発疹が現れることも多く、顔面から始まり、体全体に広がっていきます。麻疹の発疹は、最初は小さく、赤い斑点ですが、次第に大きくなり、合流して大きな発疹となります。麻疹の発疹は、数日間で消えていきますが、その後も、数週間は咳や鼻水などの症状が残ることがあります。
幼児ケアに関する解説

育児に必要な『感染症』の知識!

感染症とは、微生物によって引き起こされる病気の総称です。原因となる微生物の種類によって、ウイルス性感染症、細菌性感染症、真菌性感染症、寄生虫性感染症などに分類されます。感染症は、「人から人」への感染だけでなく、動物や虫、食べ物や水から人の体内に入ってくることもあります。 近年では、鳥インフルエンザなど、「動物(ペットも含まれます)と人が共通にかかる感染症」も大きな問題となっています。なお、病原体が体内に入り込んだだけでは「感染」とはいいません。入り込んだ病原体が体内で増えたとき「感染」、そして何らかの不快な症状が出てきたときに「病気=感染症になった」といいます。
乳児ケアに関する解説

下痢の症状と対処法

下痢とは、ウイルス感染や消化不良などの何らかの体調不良から、ゆるい液状の便が大量に出る症状のことです。通常、便は固形または半固形ですが、下痢になると水のようにゆるくなり、回数も増えます。下痢は、主に消化器系の感染症によって引き起こされます。代表的な感染症としては、ノロウイルス、ロタウイルス、細菌性腸炎などがあります。また、消化不良、食物アレルギー、薬の副作用などによっても下痢が起こることがあります。 下痢の症状としては、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などがあります。また、下痢が続くことで脱水症状を起こすこともあります。下痢がひどい場合は、医師の診察を受けることが大切です。医師は、下痢の原因を特定し、適切な治療を行います。下痢を予防するためには、手洗い、うがいを励行し、生ものを食べないようにすることが大切です。また、十分な睡眠と休息をとることも大切です。
子どもの発達に関する解説

育児に役立つ用語『ウイルス』の理解

ウイルスとは、人や動物の病気の原因などになるものです。ウイルスは、自分では増えることができないため、人や動物などの「宿主」の体内の細胞にもぐり込み、自分のコピーをつくらせ、悪さをします。また、のどなど粘膜で悪さをするウイルス、腸の中で悪さをするウイルスなど、それぞれ、ウイルスには「好みの場所」があったりします。インフルエンザやはしか(麻しん)、水ぼうそう(水痘)などの病気は、すべてウイルスによるものです。 ウイルスは、生物と非生物の中間の存在であるとされています。生物の構成要素であるタンパク質や核酸などの有機物を含み、生物のように増殖するからです。しかし、ウイルスは、自分自身では増殖することができず、宿主の細胞に感染して増殖します。また、ウイルスは細胞膜を持たないため、生物としての定義にはあてはまりません。