ワクチン

その他

そもそも「免疫」ってなに?

免疫システムとは、病原体から身体を守る体の防御システムです。細菌やウイルス、真菌などの異物が身体に入ってきたとき、免疫システムが働いて異物を攻撃し、排除します。免疫システムは、白血球、リンパ球、抗体など、さまざまな細胞や物質で構成されています。 白血球は、免疫システムの主要な細胞で、感染症の原因となる細菌やウイルスを攻撃して排除します。リンパ球は、白血球の一種で、抗体を産生します。抗体は、病原体と結合して無力化するタンパク質です。免疫システムは、身体に侵入してきた病原体を記憶し、二度目に同じ病原体が侵入してきたときには、すぐに攻撃できるようにしています。この機能を免疫記憶といいます。予防接種は、この免疫記憶を利用したものです。 予防接種は、弱毒化した病原体を体内に投与することで、病原体に対する免疫を誘導するものです。予防接種を受けると、身体は病原体に対する抗体を産生します。そのため、後日、同じ病原体に感染しても、免疫システムがすぐに働いて感染症を防ぐことができます。
子どもの発達に関する解説

ワクチンの基礎知識

ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌の増殖力を弱くしたり(弱毒ワクチン)、まったく増殖できないように(不活化ワクチン)したものです。ワクチンを体内に注入する(予防接種)ことで、体内に抗体(免疫)をつくり、その感染症にかかりにくくします。 ワクチンは、感染症を予防する最も効果的な方法のひとつです。ワクチン接種によって、毎年何百万もの命が救われています。ワクチンは、多くの人々が感染症にかかることを防ぐことで、集団免疫を形成し、感染症の蔓延を防ぐ効果もあります。 ワクチンが開発されたのは、18世紀後半のことです。イギリスの医師エドワード・ジェンナーが、牛痘にかかった人々は天然痘にかかりにくいことに気づき、牛痘の膿を健康な人の皮膚に接種することで、天然痘を予防できることを発見しました。この発見は、ワクチンの開発につながりました。 現在、ワクチンは、さまざまな感染症を予防するために使用されています。ポリオ、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘など、多くの感染症は、ワクチン接種によって予防することができます。ワクチンは、生後間もない乳児から高齢者まで、すべての人にとって重要なものです。
幼児ケアに関する解説

Hib(ヒブ)とは?感染すると命が危険に!

Hib感染の危険性 Hib感染は、髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎などの重い病気を引き起こす可能性があります。髄膜炎は、脳と脊髄を覆う膜に炎症を起こす病気で、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などの症状が現れます。肺炎は、肺に細菌が感染して炎症を起こす病気で、発熱、咳、呼吸困難などの症状が現れます。喉頭蓋炎は、喉蓋(声帯の上部にある軟骨)に炎症を起こす病気で、呼吸困難や声がれなどの症状が現れます。 Hib感染は、特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんに多くみられます。この年齢の赤ちゃんは、免疫機能が未熟なため、感染すると重症化しやすいのです。また、Hib感染は、乳幼児の死亡原因のトップ10に入っています。 Hib感染を予防するためには、Hibワクチンの接種を受けることが大切です。Hibワクチンは、生後2ヶ月から定期接種を受けることができます。Hibワクチンは、4回接種する必要があります。
出産に関する解説

B型肝炎(黄疸)、その種類と対策について

B型肝炎ウイルスは、感染経路によって、HBs抗原(オーストラリア抗原)と呼ばれる表面抗原が羊毛型、球状型、長鎖型の3種類に分けられます。HBs抗原の違いは、ウイルスの増殖状態を反映しており、羊毛型はウイルスの増殖が止まり、球状型に移行すると増殖が再び起こります。増殖のピークは長鎖型です。 B型肝炎ウイルスの感染経路は、血液、精液、おりものなど体液を介した接触によって起こります。最も多い感染経路は、感染者の血液や体液が傷口から体内に入る経皮感染です。また、母子感染や性行為による感染もあります。
幼児ケアに関する解説

予防接種で子どもの健康を守ろう!

予防接種は、感染症を予防するために、病原体の毒力を弱めたり、薬物で殺したり(不活化)、または病原体や毒素の一部を精製するなどして作られた予防接種液(ワクチン)を体内に接種して、その病気に対する抵抗力(免疫)を作り出すことです。 予防接種の意義とは、感染症にかかるリスクを減らし、発症した場合でも重症化を防ぐことです。ワクチンを接種することで、その病気にかかりにくくなったり、かかっても軽症ですんだりします。また、予防接種は、集団全体の感染症の流行を防ぐ効果もあります。 予防接種は、ワクチンの種類によって、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。生ワクチンは、生きた病原体を弱毒化したもので、免疫反応が強く、持続効果が長いのが特徴です。しかし、まれに、ワクチンに含まれる病原体が変異して、発症することがあります。不活化ワクチンは、病原体を薬物で殺したり、加熱処理したりして作ったもので、免疫反応は生ワクチンより弱く、持続効果も短めですが、安全性は高いのが特徴です。