母体血清マーカー検査とは？出生前診断のしくみと検査の種類

母体血清マーカー検査とは？出生前診断のしくみと検査の種類

母体血清マーカー検査とは？

母体血清マーカー検査とは、出生前診断の一つで、母体血清中にあるマーカー物質（指標となる物質）の濃度を調べ、胎児の染色体数の問題および神経管閉鎖障害の可能性を「パーセント数値」で推定する検査です。 ３種類のマーカーを調べるものをトリプルマーカー、４種類のものをクワトロテスト、などと呼びます。

この検査で出た数値はあくまで推定であり、確定ではありません（確定診断のためには羊水検査が必要です）。 実際には、この検査で高い数値が出ても、生まれた赤ちゃんには何の問題もない場合があります。

出生前診断の目的と方法

出生前診断の目的は、胎児に染色体数の問題や神経管閉鎖障害の可能性があるかどうかを調べる検査です。出生前診断には、母体血清マーカー検査、羊水検査、絨毛検査などがあります。

母体血清マーカー検査は、母体血清中にあるマーカー物質（指標となる物質）の濃度を調べ、胎児の染色体数の問題および神経管閉鎖障害の可能性を「パーセント数値」で推定します。３種類のマーカーを調べるものをトリプルマーカー、４種類のものをクワトロテスト、などと呼びます。これらで出た数値はあくまで推定であり、確定ではありません（確定診断のためには羊水検査が必要です）。実際、この検査で高い数値が出ても、生まれた赤ちゃんには何の問題もない場合があります。そのため「すべての妊婦さんが一律に受けるのは問題」とされています。受ける場合には、医師など専門家による十分な説明と遺伝カウンセリングが必須です。

母体血清マーカー検査の種類

母体血清マーカー検査の種類

母体血清マーカー検査には、トリプルマーカー、クワトロテスト、ニューボーン・スクリーニングの3種類があります。トリプルマーカーは、母体血清中にあるAFP（αフェトプロテイン）、hCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）、UE3（非抱合型エストリオール）の3つのマーカーの濃度を調べ、胎児の染色体数の問題および神経管閉鎖障害の可能性をパーセント数値で推定します。クワトロテストは、トリプルマーカーに加えてインヒビンAというマーカーの濃度も調べて、胎児の染色体数の問題や神経管閉鎖障害の可能性をより正確に推定します。ニューボーン・スクリーニングは、新生児の血液や尿を採取して、先天性代謝異常症や内分泌異常症などの疾患を早期発見するための検査です。

母体血清マーカー検査を受けるメリットとデメリット

母体血清マーカー検査を受けるメリットとデメリット

母体血清マーカー検査を受けるかどうかは、夫婦間での話し合いが必要であり、メリットとデメリットを十分に理解した上で検査を受けるべきです。

母体血清マーカー検査のメリットは、妊娠中に胎児の染色体異常や神経管閉鎖障害のリスクを推定できることです。この検査を受けることで、胎児に染色体異常や神経管閉鎖障害がある可能性を知ることができるため、妊娠継続の有無や出生後の治療を検討するのに役立ちます。

また、母体血清マーカー検査は、羊水検査や絨毛検査などの確定検査に比べ、侵襲性が低く、母体や胎児への負担が小さいというメリットもあります。

一方、母体血清マーカー検査のデメリットは、確定検査ではないため、胎児に染色体異常や神経管閉鎖障害があるかどうかを確実に診断できないという点です。また、母体血清マーカー検査で高い数値が出ても、生まれた赤ちゃんには何の問題もない場合があります。

そのため、母体血清マーカー検査で高い数値が出た場合、出生前の確定診断のためには、羊水検査や絨毛検査を受ける必要があります。ただし、羊水検査や絨毛検査は、母体や胎児への負担が大きいため、十分に検討した上で受ける必要があります。