注意欠陥・多動性障害の特徴と対処法

注意欠陥・多動性障害の特徴と対処法

注意欠陥・多動性障害とは何か？

注意欠陥・多動性障害（AD/HDAttention-Deficit/Hyperactivity Disorder）とは、「集中できない（不注意）」「じっとしていられない（多動・多弁）」「考えるよりも先に動く（衝動的な行動）」などを特徴する発達障害である。注意欠陥多動性障害の特徴は、通常7歳以前に現れる。多動や不注意といった様子が目立つのは、小・中学生ごろだが、思春期以降はこういった症状が目立たなくなるともいわれている。

注意欠陥・多動性障害は、社会生活に支障をきたす可能性がある。例えば、学校や職場で集中できず、学業や仕事の成績が低下する、対人関係に問題が生じる、事故を起こしやすくなるといったことが考えられる。

注意欠陥・多動性障害の特徴

注意欠陥多動性障害（AD/HD）の特徴は、通常7歳以前に現れます。症状の主なものは、不注意、多動性、衝動性です。

・不注意・・・授業中や宿題をする際に注意を向け続けることができない。さらに、必要な道具を揃えるのが苦手で、日常的に物を無くしてしまうことがあります。

・多動性・・・授業中や静かにするべき場面で席にじっと座っていることができない。また、歩き回ったり、何かを触ったり、おしゃべりしたりすることが多く見られます。

・衝動性・・・順番を待つことが苦手で、すぐに順番を抜かしてしまったり、口にすべきでないことを口にしてしまったりします。また、考えずに飛び出してしまったり、危険を顧みずに行動してしまうことがあります。

注意欠陥・多動性障害の診断

注意欠陥・多動性障害（AD/HDAttention-Deficit/Hyperactivity Disorder）は、「集中できない（不注意）」「じっとしていられない（多動・多弁）」「考えるよりも先に動く（衝動的な行動）」などを特徴する発達障害です。注意欠陥多動性障害の特徴は、通常７歳以前に現れます。多動や不注意といった様子が目立つのは小・中学生ごろですが、思春期以降はこういった症状が目立たなくなるとも言われています。

注意欠陥・多動性障害の診断は、医師による問診や診察、心理検査などによって行われます。診断にあたっては、症状が日常生活や社会生活に支障をきたしているかどうかが重要なポイントとなります。

注意欠陥・多動性障害の診断基準は、アメリカ精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル（DSM-5）」に基づいており、以下の3つの症状のうち、6つ以上が継続的にみられる必要があります。

・不注意

・よく物をなくしたり、忘れ物をしてしまう。
・宿題や他の活動に集中することが難しい。
・指示や話を聞いていないように見える。
・決まりやルールを守ることが難しい。

・多動性・衝動性

・よく動き回ったり、じっとしていられない。
・おしゃべりすぎる。
・考えるよりも先に動いてしまう。
・順番を待つことが難しい。

注意欠陥・多動性障害の治療法

注意欠陥・多動性障害の治療法は、薬物療法と行動療法の2つがあります。薬物療法は、注意欠陥・多動性障害の症状を改善するために、中枢神経刺激薬や非中枢神経刺激薬を使用します。中枢神経刺激薬には、メチルフェニデート（リタリン）やアトモキセチン（ストラテラ）などがあり、非中枢神経刺激薬には、グアンファシン（インチュニブ）やクロニジン（カプサイジン）などがあります。行動療法は、注意欠陥・多動性障害の症状を改善するために、行動変容技法を使用します。行動変容技法には、ポジティブ・サポート、タイムアウト、無視などがあります。薬物療法と行動療法を組み合わせて行うことで、より効果的な治療が行える場合があります。